ちぇ、チェストぉーーーーーーッ!

あ。なんかいきなりの展開で、すみません。
どうも。高田馬場新聞です。 

そしてさらに突然ですが、タイと言えばなんですか?

そう。ムエタイ。

ではタイ料理と言えばなんですか?

そう。トムヤムクン。

では、高田馬場発祥のタイ料理と言えば?

はい来た!そう。ティーヌンのトムヤムラーメン!!

えっ?
知らない?
知ってるけど、トムヤムラーメンなんてタイ料理屋さんにいっぱいある?

いやいやいやいやいや。

そのトムヤムラーメン、高田馬場が発祥なんですよ!

今ではタイ本国でも見られるようになったトムヤムラーメン。
なんと誕生から22年目を迎えた、伝説のメニューなのです。

今風に言えば「レジェンド」ですよ。

しかもそのトムヤムラーメンを作った会社も高田馬場にあるというではありませんか!

これは直接お話を聞かねば、ということで早速取材を申し込み。
めったなことではインタビューなど表には出てこられない涌井社長ですが、地元である高田馬場つながりなら、ということで取材を快諾頂きました。

こちらの会社はスパイスロードと言って、1972年、涌井社長が西荻に開店した喫茶店がその前進。
西荻は学生街だったこともあり、お腹がすいた学生さん向けにカレーの提供を始めます。

涌井社長
「カレーはコーヒーの香りを消しちゃうから、けしからん、なんて人もいるけどね。
まぁ、お客さんが食べたいんだから出しちゃえと。
それで九段下の南インド料理のお店に行っていろいろ研究してね。
これ、と思うと突き詰めるタイプなもんで」

涌井社長は一気にインドカレーに開眼、1986年、高田馬場にCafe MARABAR LINE(マラバーライン)をオープンします。今から約30年前のことです。

涌井社長
「その、マラバーラインのスタッフの中にタイ人女性がいてね。
彼女が作ったまかないで、生まれて初めてトムヤムクンを食べたんだ。
彼女は味澤ペンシーと言って、今うちの教室顧問をしてくれてる人。
今ではタイ料理研究家としてすっかり有名人だよ」

ちなみにこの味澤ペンシーさん、今ではタイ料理屋さんの定番となっている生春巻きを広めた立役者でして。
もとはベトナム料理だったものをアレンジして展開、もうすっかりタイ料理の一つとなっています。
トムヤムラーメンの話にたどり着く前に、またも高田馬場発祥が出てきます。

日本のタイ料理文化は、どうやら高田馬場にルーツがありそうです。

涌井社長
「で、そのトムヤムクン。
はじめは全然おいしいと思わなかったんだ。

でもね。タイ人が美味しいと食べてるわけでしょう。
そりゃぁ何かあるだろうと思い直して、食べ続けてみたんだね。

そしたらだんだんトリコになっちゃってね。

で、ひらめいたわけ。ここにラーメン入れたらどうなんだ?と
そしたらめちゃくちゃ美味しいじゃないの。
じゃぁ、お店出しちゃえ、と」

話はやっ!(笑)

なんと言いますか、美味しいものへのこだわりと言うか執着というか、
思ったら突っ走ってしまう少年のような行動力をお持ちなのが伝わってきます。

まぁとにかくそれでオープンしたのがこの
「ティーヌン西早稲田本店」。
今ではフランチャイズ店舗を含め11店舗を数える、その総本山と言えるお店です。

と、ここで気になるものが目に入ってきませんか?
先ほどサブリミナル的に仕込んでおいたあれが。

ほらほらだんだん気になってくる〜
さぁ、みなさんも声を出してシュプレヒコールを!

トム・ヤム・クン!

トム・ヤム・クン!

トム・ヤム……君?

パチパチパチパチ

どぉもぉ〜。トムヤム君ですぅ〜!

ワシ、こんなカッコしてますけど生まれも育ちも高田馬場でして。
ラーメン作ってますねん!

ボクシンググローブでどやって作るネーン!
(語尾だけタイ風)

え?って、誰、キミ???

高田馬場新聞
「なんですか?この妙に押し出しの強いキャラは?
全然、ユルくないんですが(笑)」

涌井社長
「ティーヌンのキャラクター、トムヤム君だよ。
ティーヌンが大好きで通ってくれてた早稲田大学の学生がいてね。
今じゃ某大手広告代理店でバリバリやってるけど。

その彼が、キャラクターの一つもないとダメだよって、頼んでもないのに作ってくれたんだ」


スタッフTシャツにもしっかりトムヤム君が。

高田馬場新聞
「なんかすごく愛されてる!」

涌井社長
「当時はティーヌンファンクラブみたいなサークルもあったらしいけどね」

高田馬場新聞
「まるで某コッテリ系ラーメン店みたいですね」

涌井社長
「でもねぇ。オープンした当初は、全くお客さん入らなくってね。
珍しいからってテレビなんかの取材は来るんだけど、お店がガラガラで絵にならない(笑)
全く新しい味覚だから、怒って帰っちゃうお客さんもいたねぇ」

とは言えテレビに出たこともあって、その後少しずつ認知も拡大。
クセになるタイ料理の味付けも次第に広まっていき、日本のタイ料理は花開きます。

トムヤムラーメンはその後本国タイにも逆輸入され、
今ではすっかりタイ料理のメニューの1つとなっています。

ではここで創業当時からある2品を食べてみましょう。


トムヤムラーメン チャーシューのせ(730円)

うぁー。
酸っぱいのと辛いのと、なんで?って言うくらいラーメンがマッチしてる。

ちなみに麺は中華麺のほかに3種類の太さの米麺から選ぶことができます。


クェッティオ・ナーム(730円)

ナンプラーの香りとガーリックオイルのコクで、風味はあっさりしながらも味はしっかりしています。

創業当初はこの2品だけで始めたんだとか。
タイ料理って言うより、もうラーメン屋ですよね。

涌井社長
「ラーメンの有名店を研究しまくったよ。
この場所に店を構えたのも、老舗ラーメン店がすぐそこにあるでしょ。
あそこの集客力を借りようと思って。
だってラーメンが好きな人が来るわけでしょう」

なんともわかりやすい、二匹目のどじょう戦略。
しかし提供しているものは完全オリジナルと言う。
ある意味したたかというか、極めてシンプルと言うべきか。

今年には台湾の食品大手企業によるフランチャイズで台北にも進出。
まさにトムヤムラーメン記念すべき世界進出の年になりそうです。

さらに涌井社長には夢があるとか。

涌井社長
「料理人の育成をしたいと思っててね。
日本人でタイ料理の料理人、
タイ人で和食の料理人。
双方向に料理人を育成して行きたいと考えています」

高田馬場から生まれ、世界へと羽ばたいたトムヤムラーメンのように、
高田馬場から和食の料理人が世界へと飛び立って行く日もそう遠くないかもしれません。

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COMPANY DATA
株式会社スパイスロード
住所 東京都新宿区高田馬場1丁目6番16号 ユニオンビル2F
電話番号 03-3207-3672


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