高田馬場新聞は東京高田馬場の粋な情報を発信するWEBマガジンです。

堅焼きのウナギが嬉しい路地裏の鰻屋「愛川」。

【ご注意下さい(2017年4月追記):記事本文に出てくる仁藤さんは、2017年3月末で引退されました。現在は同じ愛川という屋号で営業していますが、メニューの内容等は当時のものとは違うものになっているそうです。】

 

 

さぁ。2015年もやってまいりますよ〜〜!

土用の丑の日がッ!

はい。2015年は、7月24日(金)と8月5日(水)が土用の丑。
昨年は高田馬場〜早稲田界隈で、ウナギが食べられるお店を一通り網羅する記事を書いてまして。

わぁぁ。
もうなんかヨダレ出てきた(笑)。

で、昨年はまとめ記事みたいな感じだったので、今年はちゃんと取材して記事書かないとね!ということで、その中から一軒のお店に白羽の矢をたてました。

そのお店が、コチラ。

住所でいえば、高田馬場1丁目。
早稲田通りから南に入ったところに、鰻「愛川」はひっそりと店を構えていました。

蛍光オレンジの「蒲焼」「うなぎ」の文字が目に飛び込んできます。

早速店内へ。
お品書きを見ると竹、梅、菊、葵、亀とあります。

そしてココに、高田馬場新聞が愛川を選んだ理由が書いてあります。

お品書きの真ん中あたり。「亀」の隣にある「白焼硬焼百円増」の文字です。

まぁ白焼きは分かる。で、硬焼きってなによ???
って方も多いことでしょう。

ということで、ここから先はお店の方にお話を伺って参ります。

こちらが店主の仁藤さん。

聞けば仁藤さん、今年でちょうど80歳だとか!

えっ、、若いっ!!!!!

高田馬場新聞「80歳、、ということは……鰻を裂き続けて60年!とか、そういった感じなんですね!」

仁藤さん「いや。まだ30年とちょっとくらいなんだよ。いわゆる脱サラってやつで、50歳を前に開業したんだよね」

おぉ!これまた意外な事実。
鰻屋さんって、なんか脱サラとかのイメージないですもんね。

仁藤さん「なにか商売を始めようと考えたときに、姉の紹介で千川にあった鰻屋に入ったんだよ。でもまぁ、下働きばかりで何も教えてもらえなくてね。で、私は山形・鶴岡の出身なんだけど、同郷の方がやっている鰻屋の紹介で、成田にある鰻の問屋に行くことになったんだ。とりあえず裂き方を覚えなさいってことでね」

高田馬場新聞「へぇ。なかなかトントン拍子に進んだものですね」

仁藤さん「そうだね。で、ちょうど問屋に入ったのが7月のことだったかな。そしたら一番忙しい時期だからってひたすら鰻を裂くわけ。それで3ヶ月くらいで卒業してね」

専用の包丁を見せながら、鰻の裂き方を説明してくれました。

 

仁藤さん「で、これまたその働いていた問屋の紹介で、北区上中里ってとこにちょうど閉めたばっかりの鰻屋があるっていうんでね、居抜きで入って開業しちゃったと」

うーーん。トントン拍子にもほどがある!(笑

仁藤さん「まぁ、とはいえ、そんな感じで店開いたから、開店したばかりの私の鰻を食べた人には気の毒だったかもねぇ(笑。それでまぁ3年くらいは苦労したけど、徐々にお客さんもついて来て 」

もうなんというかこの達観ぷり、清々しさすら感じます。
こんな80歳になれたらいいな、ってちょっと思いました。

 

高田馬場新聞「愛川の屋号は、そのときからですか?」

仁藤さん「ううん。上中里の時は、屋号も引き継いで入ったからね。愛川になったのは22年前。ここ(高田馬場)に来てから」

高田馬場新聞「お名前が愛川さん、、じゃないわけで…屋号の由来は…?」

 

仁藤さん「ほら。電話帳で一番上の方に出るじゃない」

あっ!

アート引越センター方式ですね!さすがです。いろいろと目から鱗です。鰻にウロコないけど
…と思って念のため調べたらあるらしいです(どうでも良い豆知識)。

高田馬場新聞「ちなみに高田馬場へはどんな経緯で?」

仁藤さん「ほら。すぐそこに青色申告会があったんだよね。以前新宿区の出張所があったとこ。そこに来たときに、この店を見つけてね。なんかもうじき閉めるからって」

高田馬場新聞「え?ここもまた、元々が鰻屋だったってことですか!!!!」

仁藤さん「そう。5年くらいやってたみたいなんだけど、前の主人が体調崩したみたいで、それで閉めることになったらしくて。あれは確か、1993年だったかな。12月にここ見つけて、で2月にオープンしたんだったかな」

なんなのでしょう、この引きの良さ!!

 

もうこれは、さっさと鰻を食べてあやかるしかありません。
まずはメニューの説明を。
鰻の種類は同じで、竹:2700円、梅2900円、菊3100円までは鰻が1匹。肉厚さ加減で金額が違うそうです。
葵:4100円が1匹半、鶴4700円と亀5100円が2匹なのだそうですが、現在は鰻の仕入れ状況により鶴と亀は出していないとのこと。
一番人気は菊ということで、「菊」をお願いしました。

ちょっと待っててね、と奥へ入って行きます。
職人さんが焼くのを待つことしばし。

さぁ、鰻がやってまいりました!

 

ひゃっほう!鰻祭りだ!!!

江戸前のふっくらと蒸された鰻です。はむはむはむはむはむはむ。
食道から胃袋にかけて、鰻で満たされていき、幸せな気持ちに包まれてゆきます。

この鰻を食べると感じるた贅沢感、たまりませんね。

 

そして今回、取材の目玉がこちら。堅焼き(プラス100円の品)です。
江戸前の鰻が裂いて串を打った後、いったん素焼きという行程を経てから、注文が入るごとに蒸し上げるのに対し、こちらはいきなり焼いてしまうという代物。
関西風として知られる鰻の調理法です。
岐阜生まれ、大阪育ちの高田馬場新聞にとっては、鰻といえばこれなんですよねー。でも、関西風は「地焼き」って言うのじゃなかったっけか?

高田馬場新聞「江戸前と関西風とでは、開き方が違うんですよね?」

仁藤さん「関西風っていうと腹開きで、江戸前の背開きとは開き方が違うというのがよく知られてるよね。うちはどちらも背開きです」

高田馬場新聞「あ、そうなのですね。では堅焼きは、関西風とは違うのですか?」

仁藤さん「まぁ開き方が違うから、違うといえば違うかな。10年くらい前になるかなぁ、常連のお客さんで岐阜出身の方がいてね、『蒸さずに焼いてくれ』って言うから焼いて出したんだ。そのお客さん、週に1回は来てくれたから、そのうち堅焼きって名前つけてメニューに乗せるようになったの。そしたらいろんなとこでそれ見てお客さんが来てくれるようになったんだね」

高田馬場新聞「なるほど。では、堅焼きっていうのは、こちらのオリジナルなんですね」

 

もちろん肝吸いも付いてます。

 

仁藤さん「江戸前の方はいったん素焼きをしておくことで、味が落ちるのを防げるんだけど、堅焼きの方はそういうわけにいかないからね。鮮度が命。だから100円高くさせてもらってるんだよ」

なるほど。せっかちな江戸っ子に早く提供するため、という説もある江戸前の調理法。
反対に鮮度が命、パリッとした食感がたまらない堅焼き、その両方が楽しめる店はそうそうありません。

 

ほら。あなたももう、完全に鰻脳になってますね。
2015年、夏。鰻を食べて乗り切りましょう!
尚、こちらの仁藤さん、ご高齢なこともあり、今年3月いっぱいで閉店をしようと考えていたそうです。
ですが幸い、お店を引き継いでくれる方が出てきてくれたそうで、仁藤さんは8月いっぱいで愛川からは離れるそうですが、現在の職人さんも残ってお店は継続営業が決まったとのこと。
引き続き「愛川」として変わらず、鰻が高田馬場で食べられますのでご安心を!
尚、7月中の土日は予約を受けておらず、先着順だそうです。
平日に予約して行くのが狙いめかもしれません。

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SHOP DATA
愛川
住所   東京都新宿区高田馬場1-17-22
電話番号 03-3200-3717
営業時間 11:30~13:30(L.O.)
日曜   17:00~18:30(L.O.)
定休日  月曜日
土曜営業 日曜営業

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