2015年の8月23日 日曜日。
前日の天気予報では雨の予報。どうなることかと不安でしたが、朝目が覚めてみると空はうっすら曇り空。どうにかこうにか、天気は持ちそうです。
そう。この日は我が高田馬場・西早稲田の総氏神である、おすわさんこと諏訪神社の御神幸大祭が10年ぶりに執り行われる日なのです。
朝から夕方まで、一日バリッと密着してきました。
ちょっと写真が多めですが、そのぶん見物気分をしっかりと味わえるはずです。
朝は8時半の渡御行列がスタートです。早くからたくさんの皆さんが集まっていました。
ビシッと決まった組頭集の木遣り歌が聞こえ始めると神輿が担がれ、行列が始まります。
境内には出店が出ています。
もちろん朝なのでまだ営業はしていません。
こちらが諏訪神社の村岡宮司。
この日は騎馬が2頭。もう1頭には氏子総代が乗っておられます。
これはどういういわれなのでしょうか。渡御行列順位からすると「猿田彦」にあたるようです。
そもそも猿田彦(サルタヒコ)は、日本神話に登場する神導きの神の代表格。
天孫降臨に際して、天孫の天下りする場所を教える役割を担ったのだそうです。
猿田彦は長い鼻に真っ赤な鼻という、まさに天狗の形相をしていたのだとか。
そして、東京各地の祭りでは、ほとんどの祭りでこの猿田彦が神幸祭の行列を先導するといいます。
ふむふむ。勉強になります。
そしてこちらが先導神官。宮司の娘さん夫婦なのだそうです。
取材してたら見物客の氏子さんが教えてくださいました。
道々を幣(ぬさ)で祓っていきます。
この行列が朝の8時半から明治通りをず〜〜っと南下していくわけです。
曇り空とは言え季節はまだ夏。これは大変だ。。。
10年ぶりに出た宮神輿をぜひ担がんと、沿道には氏子をはじめたくさんの担ぎ手が集まって神輿を取り囲んでいます。
ところどころに睦のお神酒所があります。
こうしてところどころで休みながら、祓いながら行列は進みます。
行列はその後大久保通りへ入り、年金事務所前で午前の部が終了しました。
ではここで諏訪神社の由緒など、多少のウンチクをば。
諏訪神社は、平安初期に小野篁が創建しました。
当初は奥羽街道の一部である松原街道に面していたため、松原神社と言ったそうです。
文治五年(西暦1189)の春に、源頼朝公が藤原泰衡を討伐するにあたって戦勝を祈願。無事勝利を納めた後に、社殿を造営したといいます。
そして、時は下って江戸時代。
尾張の徳川家の祖である徳川義直公が、信濃国の諏訪神を勧請、合祀し、現在の諏訪神社と改称したのだそうです。
ちなみに現在の戸山公園は尾張徳川家の屋敷跡なのだそうですよ。
へー、となったところで、そろそろ午後の部へ参りましょう。
午前に比べて明らかに空がどんよりしてきました。
これは行列中に雨が降るかもしれませんね。
なんとかもってくれると良いのですが。
また木遣り歌の先導で神輿が担ぎだされます。
担ぎ手のテンションが上がります。
社名旗は子どもたちの担当のようです。
さぁ、神輿は小滝橋の交差点にさしかかります。
ここでグルリと折り返して早稲田通りに入るわけですね。
車通りの多い交差点ですから、警備に当たるお巡りさんたちの間にもピリッと緊張感が走ります。
担ぎ手の威勢の良いかけ声と共に、神輿は早稲田通りへ入っていきます。
と、気づけば総代を乗せた騎馬と、先導神官がいません。
ルートを確認すると、どうやらここから神輿と神官は2手に分かれていくようです。
慌てて神官を追いかけ戸三通りへ向かいます。
戸三通りは静かな裏通り。
氏子の地域をくまなく練り歩くわけですね。
休憩所で休んでいると……
お馬さんが街路の植栽を食んでいます。
もう、絶賛はみはみ中ですよ。
お馬さんも炎天下を歩いて疲れていますから。
これくらいは良しとしましょうよ、ね。
お馬さんになごませていただいた後は、早稲田通りに戻って神輿の様子をチェック。
ちょうど東陽会館のところで休憩をするところでした。
このねぇ、拍子木を持ったアニキが、神輿を置く位置を確認して、合図するんです。
それがカッコいいこと。
キンキン!!て。
だんじて愛川欽也さんではないからね。
休憩中も宮神輿は主役。
写真を撮りまくられています。
その後も渡御行列は続きます。
JR・西武線の高架をくぐり、三協信用金庫前でまた二手に分かれて神輿はロータリーを経由して諏訪通りへ向かいます。
竹宝商会あたりに差し掛かったところで雨が降り始めます。
しかし雨なんか知るかい!といった具合にますますアガるテンション!
かけ声もどんどん大きくなっていきます。
そうして祭りもいよいよクライマックス。
宮入を迎えます。
すっかり薄暗くなった17時半ごろ。
諏訪神社の鳥居横には地域の子どもが制作した灯りが灯っています。
そこへまず、先導神官たちが戻ってきます。
神官お二人は最初から最後までずーーーーっと祓い続けておられました。
神輿の方がもちろん重いのですが、担ぎ手は交代ですしこのお二人が一番お疲れだったことと思います。
神官に続いて神輿が帰ってきました。
宮入を控え、勢いも最高潮に達します。
最後に宮司が祝詞をあげ、組頭衆の三本締めで、つつがなく宮入は終わりました。
その後担ぎ手を始め参加者は直会の席へ、見物客は出店で縁日を楽しんで、10年ぶりの御神幸大祭の日は暮れていきました。
宮入の頃には雨もすっかりあがっていましたね。
高田馬場・西早稲田の総氏神、おすわさんの夏祭り。
また来年、会いましょう。
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SHRINE DATA
新宿 諏訪神社
住所 東京都新宿区高田馬場1-12-6
開門時間 午前6時~午後4時(時期により変動有り)
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