高田馬場新聞は東京高田馬場の粋な情報を発信するWEBマガジンです。

餃子荘ムロの餃子には歴史とか音楽とかいろいろ詰まってる。

高田馬場に伝説の餃子屋がある。
その存在は、もちろん知っていました。

ムロ外観

その店の名は、餃子荘ムロ。

1954年創業。
昨年60周年を迎えた、高田馬場の老舗店だ。

ムロ外観

ファサードの赤とコカコーラの自販機の赤が、完全に一致。

某テレビ番組で「お世辞にも綺麗とは言えないが美味い店」を紹介する、あの企画で取り上げられたこともある。

汚なシュラン

かねてより取材する機会を探っていたのだが、このたび縁あってようやく取材に伺う機会を得た。

そしてなぜだか今日の高田馬場新聞は、硬派な文体。
理由は特にない。お店の佇まいが知らずとそうさせるのだろう。

よし。今日はこの感じでいこう。行けるところまで。

こんにちは〜
予想とたがわず、なんとも渋い店内はカウンター席のみ。
おやじさんが餃子の皮を仕込んでいる。

ここの餃子は注文が入ってから包んで焼き上げるスタイル。
そんな情報は、もちろん仕入れ済み。

仕込みの真っ最中です

餃子荘ムロは、現在2代目の岩室さん夫妻と息子さん、ご主人のお姉さんの4人で切り盛りしている。

1954年5月、高田馬場駅前にあった飲み屋街に開店。
駅前の開発に伴い、1969年の暮れに現在の場所へと移ってきた。

まかない的なのを作るスミロック

当時の様子を、お姉さんの岩室純子(すみこ)さんに伺うことに。

純子さん「父は海軍の軍楽隊におりましてね。戦後、米軍相手にバンドを手配する仕事を始めたんです。今でいう芸能プロダクションですね。で、講和がなって米軍相手の仕事も少なくなってきたっていうんで、商売替えをしようと。それで飲食店を始めたようです。ムロは父のあだ名だそうです」

高田馬場新聞「餃子店にしたのはどういった理由で?」

純子さん「当時、餃子自体がそれほど知られていなかったみたいですね。それで始めたのですが、当時は餃子以外にもボルシチやハンバーグなど、洋食もいろいろ出していました。とは言えあくまでお酒のアテばかりだったんですが、学生さんが来るようになって徐々に麺とかご飯ものが増えていきました」

開店当時、純子さんはまだ10代。お酒を扱うお店だということで、店には出してもらえなかった。
だがお店が繁盛するにつれて人手が足りなくなり、気づけばお店に立つようになっていたそうだ。

まかない的なのを作るスミロック

そんな純子さんも、今年で80歳。
高田馬場の景色もすっかり変わり………と、それらしく終わらないところが、ムロに取材に来たかった理由の1つ。

なんとこの純子さん、70代でDJの学校に通い始め、DJとしてデビューをしたというのだ。
その名もDJ SUMIROCK(スミロック)。

純子さん「ウチでバイトしてた台湾人の子が、友達のフランス人が日本に行くから面倒見てくれって頼んできてね。 私の自宅に下宿させてあげてたんです。彼は音楽イベントを開いたりしていて、クラブへ連れてもらったりするうち興味を持って。それで学校に通ってDJの勉 強を始めたのですね」

あ、「クラブ」はもちろん「ク」にアクセントのつかない方です。

 

今では月に1回、渋谷や新宿のクラブでプレイをしているそう。
ちなみにスミロックのDJ、1曲目は必ず「鉄腕アトム」。
「高田馬場ですからねぇ」とは、なんとも泣けてくるじゃぁないですか。
あ、文体くずれてきた。まぁいいか。

スミロックこと岩室純子さん

うーん。
餃子荘ムロ。
餃子食べる前から、いろいろと味わい深すぎます。

と、そうこうしているうちに開店準備ができたようです。
ムロへ取材に行くと言ったら「ぜひ行きたい!」と、食べるだけ参加の仲間が合流。
高田馬場新聞を入れて総勢3人だったので、2階席へ通されました。

2階はわりと広いですよ

この2階席がまた渋いこと!
円卓が4つ。今にもジャッキーチェンが喧嘩でも始めそうな雰囲気です。

2階のドリンクはセルフで

そして冷蔵庫。
2階席には店員さんがいないため、追加のビールは自分で取るというシステムなのだ。

そして、そしてこの「追加」という言葉。
ムロではタブーになっている。
ドリンクは良いのだが、料理についてはファーストオーダーがラストオーダーなのだ!

ムロの三代目

いったいどういうことなのか。3代目にあたる息子さんに聞いてみた。
3代目「父母と叔母、僕の4人でこの席数を見るので精一杯なんです。餃子もオーダーが入ってから包んでいるので。ですからお料理については、最初にオーダー表に書いていただいて、追加の無いようにとお願いしています」

なるほど。
つまり腹具合を吟味してオーダーする、高いスキルが要求されるというわけだ。
ベテランと一緒に来なかったことを、ちょっと後悔。
しかし致し方無い。あーだこーだと話し合った上でいくつかのメニューをオーダー表に書き入れ、1階へと持参。

しばらくして、グラスとビールが到着。
待ちに待ったビールで乾杯!!

まずはビールでかんぱい

ビールはプレミアムモルツの小瓶(400円)。
お酒を頼むと、ネギ味噌がついてくる。

ビールについてくるネギ味噌

む。味噌が美味い!
ビールは小瓶なので、おかずが届くまでに早い人だとネギ味噌だけで2本くらい飲んでしまうかもしれません。

そこへニラレバー炒め(650円)が到着。

レバーニラ炒め

隣のテーブルに届く皿をチラ見しながら「あぁあれ頼めばよかったんかぁ」などと、次回に備えて予習をするのもムロならではの楽しみ方。

そうこうしているうちに餃子が到着。
ふつう、チーズ、カレー、にんにく、紅(唐辛子)の全5種類を頼んでみた。
にんにくとチーズが700円でそれ以外が650円。いずれも1人前が7個。

餃子

まぁ外観からは、ほぼほぼ違いはわからないので、食べているうちにロシアン餃子状態になります。
なんせ「にんにく」はにんにく1カケが入っているし、「紅」にはトウガラシがダイレクトインだ。

餃子

これを特製ダレにつけて食べる。
食べ口はとても軽い。
皮厚め・肉汁多めの餃子を期待している人は来ない方が良いですね。
それくらい、軽い餃子だ。粉の香りと具のハーモニーを楽しむ餃子とも言える。

そう。1軒目にパクパクっと食べて、サッと次の店に行く。
そういう使い方が一番良いのだ。この店は(たぶん)。
そして今回食べた中で、人気だったのがこれ。
春雨のうま煮(850円)。

春雨うま煮

酸っぱいもの好きな人にオススメ。

春雨うま煮

あとはやはり、「秘密のカクテル ホースネック」。
常連さんが教えてくれた「馬場」にちなんだカクテルが、知らず知らずのうちに秘密のカクテルとして定番化。飲み口は甘めで、けしてヤバイ感じはしませんよ。

秘密のカクテルホースネック

いやあ。餃子堪能しました!
と、見ると三代目のが着ているTシャツ!!!

60周年Tシャツ

どっからどう見ても、あのスポーツブランド!
マルアールが丸餃ってのが可愛いです。

60周年Tシャツ

60周年の時に作ったのだそう。
まだ少量残っているらしいので、欲しいと言えば、売ってもらえるかもしれません。

馬場の歴史とスミロックとオーダー1回限りシステムと…。
あれこれ楽しめるのは間違いなしです。

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SHOP DATA
餃子荘ムロ
住所   東京都新宿区高田馬場1-33-2
電話番号 03-3209-1856
営業時間 月〜土17時くらい~22時くらい
定休日  日曜日
土曜営業
カード不可 予約可

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