早稲田大学の敷地内にある、知る人ぞ知るお城のような建物。
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館(通称エンパク)です。
そんな施設が身近にあったとはつゆ知らず、今回ご縁があって取材をさせていただきました。

(この記事は、好奇心と行動力だけで生きている高田馬場在住の会社員、青井が書いています。よくその辺をふらふらしているので、面白そうなお誘い大歓迎です)

 

こちらの建物は、16世紀イギリスの劇場「フォーチュン座」を模した造りだそう。

IMG_6345

IMG_6352

正面舞台にある張り出しは舞台になっていて、実際にここで演劇をすることもあるのだとか。
過去にはロミオとジュリエットを上演したり、歌や楽器の生演奏会を開いたり、とにかく贅沢な空間なのです。
建物前の広場が客席になるそう。
建物自体が、ひとつの演劇資料になっています。

因みにこちらの建物は、1928(昭和3)年10月に設立され、創立90年。2017年8月7日から半年ほど、創立90周年に向けた準備のため閉館期間に入り、博物館としてはお休みに入ります。

休館の間にも、イベントなどが開催されるそうなので、お見逃しなく。

展覧会・イベント情報はこちら

 

常設展は日本の古典芸能、近・現代演劇・映像、西洋・東洋演劇、映画・テレビとジャンル分けし、展示してあります。収蔵資料が多すぎるため、常設展も頻繁に展示品が変わるそう。
企画展は年に2回、毎回テーマを変えて展示。特別展では新収蔵品のお披露目展示や、早稲田大学芸術功労者の影彰記念展示等が行われています。
また、春と秋には大学の各文化施設と協力して開催されるイベントもあります。

こちらが、本日取材に協力してくださった、木村さん。
優しい笑顔と面白い語り口に癒されます。

IMG_6330

建物内も歴史ある雰囲気です。
※今回は取材許可をいただいて撮影しましたが、基本的に館内は撮影不可です

IMG_6246

こちら、逍遙記念室は元々来賓室として使われていた部屋だそう。

IMG_6259

こちらの建物創立の立役者、坪内逍遙が好きだったとされる羊をモチーフにした天井。

IMG_6257

坪内逍遙が翻訳したシェークスピアの翻訳本、全40巻。

IMG_6267

羊の置物が随所にあります。

IMG_6260IMG_6262

置物について「羊というより、やぎに見える・・?」「羊とやぎの違いとは・・?」といった話題が木村さんと出たので先ほど調べたところ、見た目で見分けるのは難しく、生態(消化できる食べ物など)でしか、しっかり区分する方法はないのだとか。つまり、羊だと思えば羊。つまり羊。

 

脱線しました。
こちらはエンパクのモデルとなったフォーチュン座の模型。

IMG_6324

 

他にも、歌舞伎座や能舞台など、見ごたえのある模型の展示が多数。

IMG_6304

能舞台で使用されるお面。
こちらは撮影フリーなので、装着した姿を写真に収めることができます。

IMG_6293

手の青筋までリアルに再現された生人形。初代市川左團十郎だそう。
毛の生え際まで見事に作られていて、やや怖い。

IMG_6308

他に、廊下、階段にも所狭しと、見たことのないような異国の演劇に関する道具が展示されていました。

IMG_6281

 

また、年に2回催される企画展は古今東西の演劇・映像の中からテーマを決め、構成を練り、毎回玉髄の展示をされています。

 

取材に伺った際の企画展は、「テレビの見る夢 − 大テレビドラマ博覧会」。

メインとなる企画展示室では、大人は懐かしい気持ちになる柄の暖簾をくぐると・・・(若い子は分かるのだろうか)

IMG_6223

 

ドラマに登場したの作中衣裳レプリカの展示や

IMG_6240  IMG_6239

60台ほどはあっただろうか、沢山の骨董品のようなブラウン管に、歴代の様々なドラマを流している空間もある。

平日の昼間にもかかわらず、来場者は途切れず、放映されているドラマひとつひとつをじっくり見ている方も。

展示のテーマにあわせたイベントも開催され、1000人規模で入れる会場が満席になることもあるそうです。
IMG_6228

 

別の企画展示室では、「お荷物小荷物」という、1970年のテレビドラマの最終回を丸々上映。男尊女卑、徴兵制などもテーマにした、シュールなブラックユーモアをちりばめた、アバンギャルドなテレビドラマだったとのこと。

IMG_6279

 

エンパクの出入り口にある、坪内逍遙先生の右手と握手をすると、早稲田大学に合格できる、語学の成績が上がる、という言い伝えがあるそうです。
中高生や外国人観光客が訪れる名所にもなっているようで、この日も30人ほどのツアーのお客さんが、かわるがわるに握手をして記念撮影をしていました。

IMG_6325

IMG_6350

このように、幾通りのもの楽しみ方がある演劇博物館。
学生や研究者の方に限らず、地域のみなさまも入場無料でお楽しみいただけます。

ぜひお見逃しなく。

 

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
DATA

早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
住所   東京都新宿区西早稲田1-6-1
電話番号  03-5286-1829
開館時間 本館カウンター・展示室: 10:00~17:00(火・金曜日は19:00まで)
別館カウンター: 月~金 10:00~17:00/土・日・祝 閉室
休館日  ウェブサイトでご確認ください。

(2017年8月7日〜2018年3月22日まで休館となります)

ホームページはコチラ


PAGE TOP